大規模災害時に児童生徒を安全かつ円滑にご家庭に引き渡すこと、学園の教職員が相互に連携をしながら対応することの二点を目的に訓練を行いました。本年度の訓練は中学生も学校に引き留めることを前提に計画しました。二校出向いていただいた方もおりました。ご協力いただきありがとうございました。 以下は避難集合が完了したところで、私から生徒に伝えた話の内容です。 天災(てんさい)は忘れた頃にやってくる。 物理学者で随筆家の寺田寅彦による言葉です。 災害は人々がその恐ろしさを忘れた頃にまた襲ってくるものである。 油断は禁物。用心を怠ってはいけないという戒めの言葉です。 寝ているとき、食事をしているとき、歩いているとき災害は不意に訪れます。 では災害にみまわれたとき、わたしたちは、何に重きを置くべきでしょうか。 答えは明確です。 「いのち」です。 「いのちを最優先すること」このことが最も大切なのです。 絶対に忘れてはならない。 命が大切だから、早く逃げるのです。押して将棋倒しにならないために、押さないし、かけない=走らないのです。 命が大切だから、喋っていてはいけないのです。喋っていては、気が散って怪我をしたり、先頭からの指示や情報が後ろへ伝わりません。 命が大切なのに、指示を聞かずに、勝手に戻ってしまったら、その人が更なる被害にあうかもしれない。そして全員の安全確認にてこずれば、仲間に二次被害が及ぶかもしれない。 命が大切が心に根付けば、正しい行動をとることができるのです。 大切なのは「あなた」一人の命だけではありません。 宗二中の生徒、先生方、みなさんの家族、全員助かって欲しいのです。 命を落とす事はあっては、ならないのです。 大きな災害にみまわれた時、あなた達中学生は貴重な戦力です。自分より小さな子ども達やお年寄りの皆さんの面倒をみる力の持ち主なのです。 いざという時に、どこに避難して会うのか、自分の役割は何かを家族の方と具体的に話し合っておいてください。 わたしの命を、あなたの命を守るために、何を為すことができるか? 今日の訓練を機に、真剣に考えてください。「いざ」というときに振り絞る知恵と勇気を学校での学びを土台にしっかりと蓄えてください。