10月20日(金)2年生英語 パフォーマンステスト

 

英語による会話テストを進めています。先生からの質問に答えるだけでなく、生徒も先生に質問をします。英語に限らず、「ことばをつかう」のは差(gap)を埋める営みです。好みの差、情報の差、意見の差、価値観の差・・・相手とやりとりする中にあって、差を埋めようとするのです。大きな話になりますが、外交交渉(政治的・経済的・軍事的対立などを解消するために、武力をつかわずに、ことばによるやりとりを重ねること。)も、ことばをつかって差を埋める営みですね。

相手のことばを受けて、差が埋まったなと思えたならしっかり反応しなくてはいけません。相手に失礼です。逆に、差が埋まらないと感じたら・・・やはり反応しなくてはいけません。質問は「あなたはどうですか?」とか「(私の理解の仕方は)こういうことでいいですか?」とか確認する機能も担っています。とても大事なんです。

英語は外国語です。ことばの性質として日本語といろいろちがうのです。「音(pronunciation)」がちがう。「語順(macrostructure)」がちがう。さらに、「コミュニケーション・スタイル(communication style)」がちがう。音や語順のちがいは、「まあ、そうだよな」と直感されると思います。コミュニケーション・スタイルというのは、ちょっとわかりにくいかもしれません。文化がどう成り立ったかに関係する考え方です。

ヨーロッパやアメリカといった地域は「ことばに重きを置く」文化圏です。一般的には「ことばにしないとつたわらない」「対立をいとわない」などといった特徴があります。たとえば、アメリカは「移民の国」として知られています。異なる民族や文化との接触が多く、人々はさまざまな価値観をもちます。お互いを認め合うために「ことばで表現された内容」がもっとも大切に扱われるのです。

日本を含むアジア、中東、アフリカ、南米といった地域は、「ことば以外の表現に重きを置く」文化圏です。「ことばにしなくてもつたわる」「対立を避ける」といった特徴があります。たとえば、日本には長い歴史や伝統があります。最近はそうでもなくなってきましたが、異なる文化を背景にもつ人同士の交流は、それほど盛んではありません。同じ文化の中で共通する体験を積み重ねるからこそ、ことばばかりに頼らなくてもお互いを理解し合えます。

さて、みなさんの中には、「どうして、学校でわざわざ英語を勉強するんだろう?」と思っている人がいるはずです。「教科なんだからやるしかないんだ」ではなく、こうした疑問をこそ大切にしてほしいなあと思います。英語の教師になった私も、そのことばかり考えてきたからです。その答えを探るために、ここで述べた「差」に注目するのも、いいかなあと思います。

ちなみに私は「ことばの性質」のちがい、とりわけ「音」のちがいに強く惹かれて英語の勉強を続けています。

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