11月27日(月)外国語で「書くこと・話すこと」

 

ことばをつかうことは「差をうめる」ことと書きました。ことばをつかうことはコミュニケーションと言い換えてもいいでしょう。さて、1年生や2年生が英語の授業で習った表現を駆使して書いた日記や自己紹介文が掲示されています。母語の日本語でも大変なことなのに、母語にない表現や言い回しを利活用して上手に書かれています。仲間の作品を読んでみましょう。きっと新たな気付きが得られるはずです。

外国語の授業はコミュニケーション能力を付けることを目標に据えます。みなさんが学ぶ英語は世界中で使用されています。われわれが日本語を使うように母語として使う人もいれば、公用語として使う人もいれば、外国語として使う人もいれば・・・と使用環境はさまざまです。そんな状況ですから外国語や第二言語(母語の次に習得するという意味)として学ぶときの目標設定が肝心です。母語として使う人(例えばイギリス人やアメリカ人など)と同様に使えるようになれたらいいのですが、長い時間がかかります。そこで、最近は研究者間でintelligibility(相手に通じるかどうか)とかacceptability(相手に受け入れてもらえるかどうか)を指標に習得の目標を設定することが現実的であるとされています。となると中身が大切で外身(発音、語順、単語の選択等)はいい加減でもいいのでしょうか?まったく違います。発信相手が母語話者はじめ、様々な背景を持つ人に広がりつつある現在において、相手を不快にさせない装いは、むしろ重要度を増しているのです。英語は母語が異なる人々の中で共通語として使われることば(リンガ・フランカ【Lingura Franca】)として進化を始めているところなのです。

はじめに相手あり。ことばを発信する人は読み手や聞き手を思い描いて、その人に敬意を払い、その人に伝えたいメッセージが届くようにことばを選ぶ責任があるのです。英語などの外国語を学ぶ真髄は「日本人ならば誰でもすでに知っていること」の外部について学ぶことです。自分たちの母語では書いたり話したり、その語彙すら存在しない思念や感情や論理が存在することを知ることです。そうすると日本語の世界が外から見えてきます。同時に日本語や日本の文化を大切にしたいと思えるようになるはずです。

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